my poor scribblings
私はバスが苦手だ。バスというか公共交通機関のすべてが苦手だ。乗り物酔いしやすいせいかもしれないし、閉所や人混みが怖いというメンタル的な部分があるかもしれない。自分がどれほど希望しても駅と駅の間など決して降りられない時間があるというのがプレッシャーになって動悸がする。バスに乗るときはいつも「どうか今日こそは最後までバスに乗っていられますように」と祈るような気持ちで座席に座り、自分を励ますために心の中で「おおスザンナ」を歌う。
わたしはアラバマから バンジョー肩に
はるかなルイジアナまで 行くのです
どしゃぶりかと思えば かんかん照りで
死ぬほど辛い旅を しています
おおスザンナ 泣かないでね
素敵なバンジョーの歌 思い出して
よくわからないけれど、たぶん暑い日も寒い日も荷馬車にたえず揺られながらスザンナは旅をしているのだろう。そしてその道中は死ぬほど辛いらしい。それになんとアラバマからルイジアナ。地理関係まったく知らないけど。私も多少は辛いけれど空調も効いているしバンジョーを肩に乗せてもいないしスザンヌの道中からすれば天と地のほどの差があろうことはわかる。スザンナはたぶんとてもいい子だ。「泣かないでね」といわれるということは泣かずに頑張っているのだ。それに比べて私はどうだ、スザンナを見習うべきではなかろうか。頑張れ私、負けるな私。
「おおスザンナ」を繰り返し歌う。でも最後の「素敵なバンジョーの歌おもいだして」の部分の歌詞を思い出せないうえに「味わいも歯ごたえもとってもよろし」とローカルCMの替え歌の方で歌ってしまうのは本当に申し訳ない気持ちになる。ごめんスザンナ。
同じように苦手な炎天下の移動では小公女セーラの主題歌を歌いながら歩く。「遠い道を歩くとき歌を歌えば近い 道端の花摘みながら」途中までは前向きでいられるけれど最終的には「弱虫は庭に咲くヒマワリに笑われる」という歌詞でちょっと落ち込んでしまう。ヒマワリにまで笑われる、そんな自分に心当たりがありすぎる。
そうだね、わかる。たぶん外出が向いてない。